
多くの小学校の夏休みの課題で課される宿題の一つに作文があります。
作文って、簡単なようでいて、どう書いたらいいかということについては、学校でも学べないことがあるようです。
これは時間の制約の問題から仕方のないことかもしれません。
しかし、宿題として出されるので、書かないわけにはいきません。
とはいえ、感覚だけで作文を書くのは大変・・・。
どのようにして書いたらいいのかというのを知っているだけでも、作文に取り組む姿勢ががらりと変わるはず。
そこで、作文を書くための方法やトレーニングできる、参考書やドリル・問題集を紹介します。
作文を書くために必要なことは?
作文は、決められた文字数以上のことを原稿用紙に書く必要があります。
このことから、作文は書くことに主眼が置かれがちです。
しかし、作文を書くためには次のようなことが必要になってきます。
- 課題となる本を読むこと
- 本を読んだときに思ったことを書き出すこと
- 思ったことをまとめること
- まとめた内容を元に、文章を構成すること
- 他人に自分の書いた文章を伝えること
これらは「読むこと」「書くこと」「まとめる方法」の三つの技術にまとめることができます。
一つ一つやっていくことができれば作文が書けるはずなのですが、プロセスが見えづらいために、一気にやろうとして、作文を書くのが苦痛になってしまうこともあるのです。
本当はこれらを明示的に学習できればいいのですが、なかなか学習する機会がないのも事実です。
ただ、学習指導要領の改訂により、少しずつですが、作文について学習できるような参考書やドリル・問題集が出版されつつあります。
以下では、そのような参考書やドリル・問題集を紹介いたします。
おすすめの参考書やドリル・問題集
文章を読むために必要な論理を学ぶためのドリル・問題集
作文を書くときの最初のステップは、本を読むことです。
本を読むときに必要なのが、本に書かれている文を読み取る力です。
文章は、「誰が何をした。」「何がどうなった。」という部分を読み取ることで、初めて内容を理解することができるのです。
これは普段の国語の授業やドリル・問題集でも行っていることですが、普段使っている言葉であるがゆえ、どのように読み取ったらいいのかが曖昧のまま、ひたすら演習になっていることも多いのも事実です。
どのように押さえたらいいのかをきっちりと学習していないと、易しい文章のうちは問題ないのですが、段々と難しくなっていくと、文章が理解できなくなってしまって、文章を読むのがつらくなってしまいます。
そこで、登場するのが論理国語です。
日本語の論理は以下の四つの柱から成り立っていると言われています。
- イコールの関係
- 対立関係
- 因果関係
- 文の要点(主語・述語・目的語の関係)
「出口式 はじめての論理国語 小1レベル 水玉社 p.7より」
これらを意識的に学習することで文章の内容を読み取れるような学力をつけていきます。
この論理国語を学習できるドリル・問題集が「出口式 はじめての論理国語」シリーズです。
なお、小1レベルから小6レベルまでの6冊が出版されています。
便宜上、学年がふってありますが、小学生のうちは国語の学習能力の差が大きいので、たとえお子さんが高学年であっても小1レベルからやって、基本の土台を作ることが大切です。
文章について、明示的に学習することができるので、普段の国語でつまづいているお子さんの学習にもおすすめです。
文章を書くトレーニングをするためのドリル・問題集
作文を書くために必要なことの2番目は、書くことです。
ところが、この書くというものがくせ者です。
作文の最大の難関は、何を書いたらいいのかわからなかったり、書くことが思い浮かばなかったりといったことが往々にしてあるからです。
この原因は、どのようにして何を書いたらいいかがわからないことが原因であることがあります。
学校で作文の構成についてあまり学習する機会はないことが原因かもしれません。
しかし、作文には起承(転)結という型があるため、その型に沿って文章を書くことができれば、形にすることができます。
言葉を学ぶときには、お手本(例文)があり、それをまねするところからスタートします。
例文を見て、構造を見て、それから自分の作文を作ることができれば、何を書いたらいいかわからないといったことや書くことがないで困っている問題が解決できることでしょう。
作文をどのように書いたらいいかを学ぶのに最適なドリル・問題集が以下の書籍です。
最初は作文の型を学ぶことからスタート
「はじめての論理国語シリーズ」で一文の書き方や読み方を学んだ後、作文の型を学びます。
いくら文章を書きたくても、どのように書いたらいいかわからないまま、試行錯誤しながら書いても、偶然うまい文章の書き方を見つけるまでは、苦戦してしまうことでしょう。
うまい文章の書き方を見つけることができればいいのですが、その前に嫌になってしまっては、作文嫌いになってしまいます。
そこで、作文はどのような構成で、どのように書いたらいいかを、例を見ながら学習するのです。
作文の型を学習するのにおすすめの問題集は次の2冊です。
「スラスラ書ける作文マジック入門編」は作文の型を6つのタイプ(文をつなげる練習、行事作文、観察日記、夏休みの旅行、家での出来事、自由作文)にわけて、文例から学んでいく方法です。
作例は1年生の書いた作文からとっています。
「スラスラ書ける作文マジック」は、3つのタイプ(説明的文章風、物語風、小論文風)になっています。
作例にいまいちな部分もありますが、これは実際に子どもたちが書いた作文を掲載しているためです。
逆に言えば、子どもたちがどのような文章を書いているかというのを知ることができるテキストでもあります。
作文の最初のページは、言葉をつなげて書く練習で、解答欄に一部にのみヒントの文字が書かれています。
やっていて難しそうであれば、次のページのヒントが全文書かれているページをなぞり書きしてから、最初のページに戻って学習するといいでしょう。
次のステップは、作文の文章を書く練習
「作文天国」は、紹介文・報告文・観察文・行事文・読書感想文・説明文・詩の8つの文例を
テーマ→例文なぞり書き→実際の作文
という3ステップで学ぶことができるようになっています。
また、分量も60文字から80文字程度なので、あまり無理をしなくても書くことができるよう配慮されています。
型を学んで、自分の言葉に置き換えて作文を作ることができれば、作文をどのように書いたらいいかを知ることができることでしょう。
ただ、低学年用・高学年用の2種類のみしかないので、早い段階での学習は、習っていない漢字が出てくる問題があり、少し難しい場合もあるようです。
その場合には、一緒にやって解説をしながら、進めていくといいかもしれません。
また、高学年の方でも、作文が苦手と感じているお子さんの場合には、低学年用からスタートしてみると、スムーズに学習できるかと思います。
最後に自分の力で作文を書く練習
型を学び、ある程度長い文章を書けるようになった後は、作文の演習になります。
作文の演習でおすすめなのは、以下のドリル・問題集です。
徐々にどんな風に書けばいいのかヒントを出しながら、次に進んで行くというスタイルです。
なぞり書きではないのですが、どのように書いたらいいのかなどのヒントがあるので、そのヒントを元に考えることができるよう配慮された内容になっています。
また、テーマもお子さんが書けそうなものを選んでいますので、作文力をつけるにはいいドリル・問題集になっています。
読書感想文を書くための方法について学ぶ参考書
読書感想文を書くに当たって、本を読むところから感想文を書くところまで、何をしたらいいかまで、全体を見渡せるようになると、読書感想文を書くのがまた違ってきます。
そこで、本を読むところから読書感想文を書くところまでの流れや方法を解説している書籍を紹介しています。
「ドラえもんの国語おもしろ攻略 読書感想文が書ける」は、マンガの読み物になっていますが、原作のキャラクターを生かした内容になっており、ドラえもんに興味のあるお子さんであれば、無理なく読みに入ることができるかと思います。
また、肝心の内容もポイントを押さえた内容になっているため、読書感想文というものはどのようにして本を読んで、読書感想文を書けばいいのかを知ることができるかと思います。
先の「ドラえもんの国語おもしろ攻略 読書感想文が書ける」は、攻略ポイントを解説している書籍です。
それに対し、「読書感想文がスラスラ書ける本」は、本を読んでいるときに書いたメモ(ふせんメモ)を元にどのような作文ができるかという、例文がたくさん収録されています。
事例がたくさんあるので、本を見ながら、ご両親が説明しながら一緒に読んでいくといいでしょう。
実際の読書感想文のお手本があるので、読書感想文ってどのように書いたらいいかがイメージしやすいかと思います。
他のシリーズは以下の通りです。
作文を添削する時間のないご両親の方へ
上記で紹介した書籍は、できるだけわかりやすいものをと思って選定いたしました。
作文のトレーニングというものは、書いた後どのような点がよくて、どこを直せばもっとよくなるのかを添削することで、さらに上達いたします。
しかし、作文の添削は思ったよりも時間がかかるところが難点です。
添削する時間が大変、どう添削したらいいかわからないとお困りのご両親の方もいらっしゃるかもしれません。
また、添削は少し苦手と思っていらっしゃるご両親の方もいらっしゃるかもしれません。
そんなときは、添削のプロにお願いしてしまうのが一番です。
添削のプロにお願いすることで、適切な指導が受けられ、さらにご両親の添削の負担が軽減できるからです。
さらに、お子さんも第三者からのうれしいメッセージを楽しみになるかもしれません。
作文の添削はいくつかありますが、その中でおすすめなのが、
です。
「ブンブンどりむ」は20年以上の添削実績があり、国語力の達人:齋藤孝先生(明治大学教授)の監修のもと、小学生の「書く力」を軸に、「考える力」「読解力」「想像力」を育む工夫がふんだんに凝らされた教材を提供しています。
特徴は
- 学習時間の目安は1日10分程度。
- 添削は月2回。
- 1年間で取り組むテーマは30以上
- 海外からの受講も可能
- 算数・理科・社会(1・2年生用は生活科)の知識のもと、問題を分析し、解決する方法を考え、それを論理的に記述することを学べるドリルも登場
となっており、他の教科の勉強を圧迫することなく、学習できるよう配慮されています。
詳しくは公式サイトでご確認ください。